Retro Machinism 懐古的機械主義 展
2019年4月16日(火)~4月29日(月祝)
■出品作家:伊賀信、大城夏紀、片平仁、白濱雅也
■トークイベント
4月16日(火)15:00~ 大城夏紀、白濱雅也 パリ滞在、作品について
4月29日(月祝)15:00~ 伊賀信、片平仁、白濱雅也 機械と美術について
Retro Machinism 暖かな機械
電子楽器のシンセサイザーが出て来た頃、音を作る という画期的なことに熱狂する一方で、その人工的で 無機質な音が非人間的と嫌われた。No synthsizer と銘打つバンドもいて、その無機質さはテクノポップ の登場を待って後に受け入れられていった。
当時のシンセサイザーはアナログシンセサイザーであるが、そ この後デジタルシンセサイザーやサンプリングに主流が移り、今ではあらゆる音がコンピューター1台で再現で きるようになった。反動なのかいつの頃からかアナロ グシンセサイザーは暖かみのある音が出るヒューマン な楽器と言われるようになった。電子楽器の黎明期を 知る者には驚くべき変化で隔世の感がある。
登場した頃にはまるで怪物のように恐れられた蒸気 機関車も、今では朽ちゆく郷愁のアイコンと成り果て ていることにも似ている。人間の感覚は普遍な面とこ のように時代とともに変動するものがある。
未来派から派生したなマシニズムには機械への賞賛 と驚愕があり、そこに未来的な希望が託されていた。 あらゆるものがデジタル化されシミュレーションされ た接点でしか触れることができない今、機械を見る目 は郷愁に近いものであり、ヒューマンな肌触りや手応 えという安心感を覚える。ここに 21 世紀的なマシニ ズムを見るのである。それは人が自身の感覚で構造を 掌握できる歓びの追憶である。
この展覧会に集まった作家は身近な機械やそのイ メージをモチーフとして用いる。それは未来的な憧憬 ではなく、認識の再確認や再検証としてその美を採用 しており、誇大に言えば人間的な触感の再確認でもあ るのだ。
企画:白濱雅也
協力:さっぽろ天神山アートスタジオ
伊賀 信 Iga Makoto
1961 年生まれ 札幌在住 単純なモジュールの組み合わ せによって幾何学的な構造美を見せつつ複雑で豊かな 表現を特徴とする。また数字やアルファベットなどの言 語をモチーフとしたサイン作品も手掛ける。2001 年 アートユニット 幾何学的抽象芸術実験室 (G.A.A.L)発足。 主な個展に 2006年 GALLERY 創、2008年 茶廊法邑 Gallery など、主な企画展に 2010年及び 2014年札幌 芸術の森美術館、2015年モエレ沼公園オープン 10周 年記念展などに出品。2012 年 ULTRA 005 に て GALLERY 創から出品、ベストウオール賞を受賞。
大城夏紀 Oshiro Natsuki
1985 年生まれ 神奈川県在住。早稲田大学第二文学部卒 業、阿佐ヶ谷美術専門学校を経て、2012年東京造形大学 大学院 修了。2017年シェル美術賞レジデンス支援プロ グラムにより、パリで2ヶ月間の滞在制作を行う。日常 の裏側」のルールや制度に関心を抱き、工業製品や文化的 モチーフの構造に焦点を当てた作品を制作。工業製品の シリーズでは、その意味と形態が一致するものを色面に 置き換えて構造を辿ることで、ものとものに付随する意 味との距離感や関係性を提示する。シェル美術賞 2017、 ワンダーシード2015、第26回三菱商事アート・ゲート・ プログラム入選。
片平仁 Katahira Jin
1959 年福島県福島市生まれ。福島市在住。1982 年福 島大学を卒業。20代はシンセサイザーと作由に没頭す る。90年代後半から本格的に PC を使用した 3DCG での作品制作を始める。2011 年の東日本大震災と原発 事故以降、福島に在住する造形作家としての使命に目 覚め、作品制作を続けている。近年の主な展覧会には 2016年「つくることは生きること」:震災(明日の神話 展(川崎市岡本太郎美術館)、2016年片平 仁展(伊 達市梁川美術館)、2016 年アジアデジタルアート大賞 展(福岡アジア美術館):2013年優秀賞などがある。
白濱雅也 Shirahama Masaya
1961 年岩手県釜石市生まれ、1988年多摩美術大学美 術学部卒業。最初期にコラージュ的な構成絵画を制作、 90年代より物語的な不条理絵画や立体を発表、故郷の 被災と親類の死を機に、鎮魂と再生の意を込めた木彫 神像に力をいれる。その傍ら鑑賞者の作品受容を問い かける風景画や工業デザイン的抽象画などを手掛ける。 都美セレクショングループ展に企画が入選、2014 年 「祭、炎上、沈黙、そして... POST3.11」展を東京都美 術館で開催、好評を博す。近年はメキシコ、中国など の海外へ活動を広げている。2014年より帯広在住。
【Retro Machinism 懐古的機械主義 展】
■日時
2019年4月16日(火)~4月29日(月祝)
※4/24(水) 12:30~16:30貸切の為、展示はご覧いただけません。
※4/26(金)17:00~21:30は貸切の為、展示はご覧いただけません。
※会期中無休
open-close
火.水.木.金.土 10:30~21:30〈ラストオーダー21:00〉
日.月 10:30~20:00〈ラストオーダー19:30〉
■会場
TO OV cafe/gallery
ト・オン・カフェ/ギャラリー
札幌市中央区南9条西3丁目2-1マジソンハイツ1階
(地下鉄南北線「中島公園駅」より徒歩1.5分)
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